2008年11月10日月曜日

ビッグプロジェクト~その成功と失敗の研究~(残り21冊)

奈良の大仏、姫路城、黒四ダム、東海道新幹線。
古代から現代に至るまで、科学技術と人類の英知を結集して成功を収めた
ビッグプロジェクトには、いずれも共通の要因があった。

そして、「もんじゅ」や「チャレンジャー」の事故のように、重大な失敗
が起きた場合にも・・・。自らも「核融合研究」というビッグプロジェクト
を率いてきた二人の科学者が描く、「科学と人間と社会」の物語。

という本です。

この本に描いてあるプロジェクトの1つ、富山にある黒四ダムの
プロジェクトは完成までに作業員が殉職者として170人以上も
亡くなられたそうです。

それでも諦めずやり遂げたプロジェクトはどのように遂行された
のか興味があり、本書を読んでみることにしました。

ビッグプロジェクト~その成功と失敗の研究~
著 者:飯吉厚夫、村岡克紀
発行所:新潮新書
出版日:2008年5月20日

大事業成功の「必須の条件」として、次の三つが共通していることに
気づきました。
一、時代の要請が強いこと
二、リーダーに高い志と気概があること
三、ものづくりの技術陣のレベルが高いこと

満々たる水をたたえる黒部湖。
毎秒10立方メートルの水が「観光放水」されて、観客の目を楽しま
せています。
(余談ながら、その水を発電に用いれば、毎日1000万円分の電力
を生むことになるそうです!)

ほとんどのビッグプロジェクトは、目的を達成するまでの段階で、
多くの不確定要素に遭遇します。それをどう克服するかには、高度
に科学的ないし技術的な判断が必要です。すなわち、ここでは一般
の行政組織のように、「規則に則って間違いなくやる」のとは
違ったリーダーシップが必要なわけです。

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