2008年11月1日土曜日

サブプライム後に何が起きているのか(残り24冊)

前にブログで紹介したサブプライム問題とは何か、の続編になります。
出版は2008年4月のため、主に2月頃の情勢を交えてその後の状況を書いています。
おそらく今とはまた違うはずです。

著者がブログを書いているので、その後の状況はこちらのほうが詳しいと思われます。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/17202

あと本日、欧州、米に続いて日銀も協調利下げに踏み切りました。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200811010082.html

サブプライム後に何が起きているのか
著 者:春山昇華
発行所:宝島社新書
出版日:2008年4月24日

◎格付け会社は証券会社に依頼されて格付けしていた。

格付け会社は、格付けに必要なインプットデータを、依頼者である
証券会社からもらっていた。
そして格付けを付与することで、依頼した証券会社から報酬をもらう。
お金をくれる相手に厳しい評価を下すことは、誰にとっても難しい。
こうした関係性から、「トリプルA」は証券化商品に大盤振る舞いされたのだろう。

◎不良債権の処理方法

解決方法はすでに決まっている。
長短金利差を拡大させて、金利差によって得られる利益を金融機関に与えることだ。
そのためには、短期金利(FFレート)を大幅に引き下げることが重要だ。
おそらくITバブル崩壊後の低金利時代のFF金利1%と同じかそれ以下、
つまりゼロ金利まで下げる必要があるだろう。

◎日本経済のピーク

日本経済のピークは1988年ととらえている。
1人あたりの国民所得の世界順位のピークは93年だった。
労働人口(15歳~65歳)のピークは96年で、総人口のピークは2004年だった。
これらの指標は、日本の緩やかな衰退を裏付けている。

◎日本が国際競争力を失わない手段

過去の日本の製造業が保持していた競争力を失わないためには、
手段はもはや2つしかない。
ひとつは、徹底した効率化によるトータルでのコストで競争力を向上させること。
もうひとつは、まったく他者が追随できないような製品を提供することである。
前者の道を究めたのがトヨタなら、後者の道を開拓したのが任天堂だ。

◎著者の思い

日本が復活し成長するには、社会を引っ張るリスク・テイク族を増やさなければ
いけない。
失敗を恐れず、何度でもチャレンジすることを後押しする社会になるべきなのだ。
かつて経済大国と呼ばれた日本。
再び日出づる国として世界に羽ばたくために、私もチャレンジを続けていきたい。

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