2008年10月22日水曜日

サブプライム問題とはなにか(残り26冊)

サブプライム、今この言葉を聞かない日は無いくらいに世間を
騒がせている単語です。

ただ、よく聞く割には自分は何が起きているのか理解できていませんでした。
せいぜい、アメリカの住宅バブルが破裂した、というレベルでしか
理解できていませんでした。

最近、家で両親と一緒にニュースに突っ込みを入れることが多いのですが、
突っ込みをいれるにしても、ある程度ものごとを知っていないと、しったか
になってしまうので、この本を読んでみることにしました。

以下に、自分の勉強を兼ねて、サブプライムとは何か簡単に説明します。

サブプライム問題とは何か ~アメリカ帝国の終焉~
著 者:春山昇華
発行所:宝島社新書
出版日:2007年11月24日

まず、サブプライム問題を理解する上で、大切な単語がいくつかあります。
この単語を交えながら、簡単に説明したいと思います。

サブ プライム
住宅バブル
証券化
モラル

サブプライムを単語に分解して、yahoo辞書を引いたところ、

sub = 「下」「下位」「やや」. ▼時に「副…」「…補」の意となる
prime = もっとも重要な, 主要な;もっとも適切な;卓越

という意味が出てきます。
つまりサブプライムとは、優良より下位に位置するという意味になるの
ですが、これを金融の世界に当てはめると、非優良顧客という意味になります。

金融にとっての非優良顧客とは、お金の回収見込みがない、または少ない
人にあたります。

この非優良顧客に対しての融資を行い、それが回収できなくなって焦げ付いて
いることがサブプライム問題なのですが、なぜこの層に金融機関(銀行)が
お金を貸したのか?

近年、金融工学が飛躍的に進歩し、何でも証券化することができるように
なりました。
複雑な計算式を用いて、リスクを数値化する技術が上がったためです。

これにより、銀行が顧客から集めた住宅ローンを、証券会社と組んで証券化し
多数の投資家に販売することが可能になりました。

これまでのやり方は、銀行が預金者などから資金を集めて、銀行自身のリスク
として貸出しを行ってきましたが、それが、債権を証券化したことにより一気に
ビジネスのやり方が変わったようです。

まず、証券化したことにより将来発生する貸し倒れリスクから逃れることが可能に
なりました。

貸し倒れリスクごと販売してしまうので、銀行自身がリスクを背負わない。
これにより一気に、貸出しのチェックが甘くなり誰でも貸せるようになりました。
何かあっても俺らに危害はないという考え方、貸出し側のモラルの崩壊です。

これによって、住宅バブルが促進される材料は揃いました。
このバブルに火をつけたのは何なのか?
それは、2000年のITバブル崩壊まで遡ります。

ITバブル崩壊により、株式市場より引き上げられた資金が大量に流れ込んだ
先は、アメリカの不動産だったようです。
さらに火に油を注いだように、ユーロ高ドル安が発生し、欧州の富裕層は競うように
アメリカの物件を購入します。

これにより、すこしづつ不動産が値上がりしていきます。
アメリカ人はこのままでは住宅が購入できなくなってしまう、またはチャンスと思い、
われ先にと住宅を購入していきました。
サブプライム層もサブプライムローンで簡単に資金調達ができるようになったので、
どんどん購入していきます。

そのため、2000年から2006年まで住宅の価値は2倍以上に膨れ上がりました。
住宅バブルの発生です。

2006年になり市場が冷静になったとき、住宅価格は暴落しました。
貸し出した時に担保となっていた住宅は、当時の評価額を大幅に下回り、債務者が
破産したときに、回収できなくなった資金の焦げ付きが発生しました。

焦げ付いた結果、投資家の資金は一斉に市場から引き上げ、世界各国の株価は
暴落しつづけています。

これがサブプライム問題です。

これに至るまでには、上に挙げた以外に多くの原因があるのですが、
簡単に説明するためにかなり省いている箇所があります。

もし気になった方がいれば、本書を手にとってみてください。
サブプライムにより、現実味を帯び始めたアメリカ覇権の移行予想が
大変興味深い内容です。

文章長くなりすいません。。

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