2008年10月11日土曜日

ポジショニング戦略(残り28冊)

消費者の「頭の中」を制する者が、ビジネスを制する。
だから頭の中に強いポジションを築け、と本書は説明しています。
ポジションとは?

たとえば、携帯音楽プレイヤーといった分野で確固たるポジションを
築いた会社を挙げるとすると、過去の勝者はSONYです。

それは、携帯して音楽を楽しめる製品という新たなジャンルの製品を
初めて開発したことと、それによって「SONYのウォークマン」という
製品は消費者の頭の中に、携帯音楽プレイヤーといえばSONY、という
ポジションを築けたからです。

自分も当時ウォークマンを持っていましたが、購入するときはまず
SONYの製品を一番に考えて、よほど性能と価格に差がない限り他社の
製品を買おうと思わなかったのを覚えています。

現在の携帯音楽プレイヤーでの勝者は、明らかにAppleのiPodです。
それは、歩きながらでも音楽が聴けるという製品に新たな、

・パソコンとの連動、ネットによる音楽購入が可能に
・メディアをCDやMDなどからメモリーやハードディスクへ変更、大容量化

といった要素を持ち込み、携帯音楽プレイヤーでイノベーションを
起こしたからだと思います。

SONYもCDやMDからメディアを替えて、iPodと同じような製品を発売
していますが、あれだけ強いポジションがあったにも関わらず、大苦戦
しているという話を聞いたことがあります。

いま自分がそのジャンルの製品を買うならもちろん、iPodを選びます。
よほど価格差があったとしても、たぶんSONY買わないと思います。

もちろん、デザインなども購入の大きな要素になりますが、
SONY製品はデザインもいいです、価格もちゃんと勝負できるものです。
それでも、自分の中にあるiPodのポジションは崩れません。

それだけ消費者の頭の中にある、製品のポジションというのは、購入
するという行為に影響を与えるものだ、そのポジションを作るためには
どのような戦略を立てればいいのか?といったことを本書は実例を交えて
説明しています。

ポジショニング戦略
著 者:アル・ライズ、ジャック・トラウト
発行所:有限会社 海と月社
出版日:2008年4月14日

市場のリーダーに真っ向から挑戦するようなポジショニング戦略は失敗する。
障害は、乗り越えるのではなく迂回すること。

何かアイディアを思いつき、これで問題が解決できると思ったそのとき、
あなたは客観性を失っている。そういうとき、練り上げたそのアイディアを
まっさらな目で見てくれる他人の存在がものをいう。

ポジショニング戦略では、「小さいことはいいことだ」である場合が多い。
ターゲットを小さくしてそれを独占するほうが、大市場をライバル三、四社
と分け合うよりもいい。万人受けをねらいながら強力なポジションを維持する
ことはできないのだ。

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