消費者の「頭の中」を制する者が、ビジネスを制する。
だから頭の中に強いポジションを築け、と本書は説明しています。
ポジションとは?
たとえば、携帯音楽プレイヤーといった分野で確固たるポジションを
築いた会社を挙げるとすると、過去の勝者はSONYです。
それは、携帯して音楽を楽しめる製品という新たなジャンルの製品を
初めて開発したことと、それによって「SONYのウォークマン」という
製品は消費者の頭の中に、携帯音楽プレイヤーといえばSONY、という
ポジションを築けたからです。
自分も当時ウォークマンを持っていましたが、購入するときはまず
SONYの製品を一番に考えて、よほど性能と価格に差がない限り他社の
製品を買おうと思わなかったのを覚えています。
現在の携帯音楽プレイヤーでの勝者は、明らかにAppleのiPodです。
それは、歩きながらでも音楽が聴けるという製品に新たな、
・パソコンとの連動、ネットによる音楽購入が可能に
・メディアをCDやMDなどからメモリーやハードディスクへ変更、大容量化
といった要素を持ち込み、携帯音楽プレイヤーでイノベーションを
起こしたからだと思います。
SONYもCDやMDからメディアを替えて、iPodと同じような製品を発売
していますが、あれだけ強いポジションがあったにも関わらず、大苦戦
しているという話を聞いたことがあります。
いま自分がそのジャンルの製品を買うならもちろん、iPodを選びます。
よほど価格差があったとしても、たぶんSONY買わないと思います。
もちろん、デザインなども購入の大きな要素になりますが、
SONY製品はデザインもいいです、価格もちゃんと勝負できるものです。
それでも、自分の中にあるiPodのポジションは崩れません。
それだけ消費者の頭の中にある、製品のポジションというのは、購入
するという行為に影響を与えるものだ、そのポジションを作るためには
どのような戦略を立てればいいのか?といったことを本書は実例を交えて
説明しています。
ポジショニング戦略
著 者:アル・ライズ、ジャック・トラウト
発行所:有限会社 海と月社
出版日:2008年4月14日
市場のリーダーに真っ向から挑戦するようなポジショニング戦略は失敗する。
障害は、乗り越えるのではなく迂回すること。
何かアイディアを思いつき、これで問題が解決できると思ったそのとき、
あなたは客観性を失っている。そういうとき、練り上げたそのアイディアを
まっさらな目で見てくれる他人の存在がものをいう。
ポジショニング戦略では、「小さいことはいいことだ」である場合が多い。
ターゲットを小さくしてそれを独占するほうが、大市場をライバル三、四社
と分け合うよりもいい。万人受けをねらいながら強力なポジションを維持する
ことはできないのだ。
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