2008年12月3日水曜日

1997年--世界を変えた金融危機(残り13冊)

覚えていますか?
1997年のアジア発の金融危機を。
当時、僕は高校生でしたがやたらニュースで騒がれていたのを
覚えています。

本書は1997年を振り返り、このときの金融危機は何が原因で何を
発端として発生した危機だったのか、その時世界はどのように動いて
どのように対処し、さらなる危機の発生を止めたのか。

年月を経ることで、当時何が起きていたかを様々なデータから検証し、
どうやって全世界に波及せず、アジアで止めることができたのか説明
しています。

1997年--世界を変えた金融危機
著者: 竹森俊平
発行所:朝日新聞出版
発行日:2007年10月30日

97年、98年における経済の転覆につながる「不確実性」をもたらした
ものは、外国のヘッジファンドでもなければ、為替投資家でもない。
それは内なるもの、日本的な組織の闇である。

「住専問題」の場合には、救済したいのは「住専」ではなく、農林系統
金融機関だった。「住専問題」は「わかりにくい」と当時言われていたが
、実のところこれほど「わかりやすい」話はない。
「わかりにくい」のは、わかられると困る政治家が説明をわざと「わかり
にくく」していたからである。

日本の場合、一番恐れるべき「不確実性」は、凶暴な国際資本の力ではなく
内なるものである。
外部からの統制、監督が不十分で、自己の論理だけで生き残る組織の闇を
解消することがなくては経済の安定はない。

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