2008年12月29日月曜日

ほんとうの環境問題(残り3冊)

おそらく地球環境問題で一番、議論の的になっているのがCO2増加による気温
上昇でしょう。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、地球の平均地上気温は1990年
から2100年までの間に1.4~5.8℃上昇すると予測されています。
その結果、海面の上昇は0.09~0.88mの範囲で上昇すると想定されています。

温度上昇した結果、何が本当に問題になるのか。
たとえば、海面上昇について考えてみても、最大0.88cm上昇したとしても
満潮時と干潮時の水位の差にもならない。

温暖化のデメリットとして、生態系の破壊、特に目にするのがホッキョクグマ
の居住地域がなくなる結果の絶滅が心配されていますが、地球は温暖化と寒冷化
を繰り返してきた中で、なぜ絶滅していないのか、一方的なメッセージによって
実は思考を単一化させられていないか、筆者は読者に問いかけています。

ホッキョクグマが小さい氷の上に乗っている写真をみて「深く考えさせられる。」
と言っている人は本当は何を深く考えているんだろう。と

気になって、IPCCの報告書を読んでみました。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc_tar/spm/spm.htm

この中にでさえ、全て温暖化の結果、マイナスのことだけ書かれていて
プラスのことについては全く触れられていません。
確かに自然に考えると、温度が上がった結果、作物の栽培可能北限が上がって
食糧の増産や森林地帯の北限の上昇も考えられるのに。

この本を読んでわからなくなったことが多いです。
何が本当のことなんだろう。

ほんとうの環境問題
著 者:養老孟志、池田清彦
発行社:株式会社新潮社
発行日:2008年3月15日

いまから一万年前には、地球上には人間は推定で100万~500万人しかいなかった。
基本的に何も科学技術もない状態で、人間が自然の生態系のなかで他の生物と競争
しながら生きていく数としては、それぐらいが妥当な数だったのだろう。

人は現状をもとに保守的に対応を考えてしまう。
外来種排除にしてもそうだけれども、現状を維持するのが一番いいことだという
ふうに思ってしまう。
けれども、その、維持しようとしている現状も、100年前や200年前と比べれば
全然違うのだ、ということには思いが至らない。
世の中は変わる。そのなかでベストな方法を考える必要がある。
そのためには原理主義的にならないで、バランスを考えてやっていかなくてはならない。

実際問題として、石油があと四〇年後ぐらいでなくなるのなら、一〇〇年後の温度
なんか計算したってしょうがないのである。

「ほんとうの問題」を知らされていないという意味で、日本国民は不幸だと思う。
京都議定書を守ることが正義だと思って勘違いしている人がとても多いのだから。

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