2008年12月20日土曜日

リーマン恐慌(残り7冊)

リーマン恐慌
著 者:岩崎日出俊
発行所:廣済堂あかつき株式会社
発行日:2008年12月9日

投資銀行の本源的業務は、第一に国家や企業の資金調達の相談に乗ることだ。
アドバイス(助言)を提供することからアドバイザリービジネス(助言提供業務)
ともいわれている。

第二の本源的業務は、アドバイスを提供するだけでなく、公債、社債、株式を
引き受けることによって実際に資金を用立てることだ。
アドバイスと引受け。これが投資銀行の本源的業務である。

この危機は第二次世界大戦以降、最も深刻なものに発展するだろう。
(マイロン・ショールズ ノーベル経済学賞受賞)

概略的な歴史の教科書に従えば、16世紀がスペイン、17世紀がオランダ、18世紀
がフランス、19世紀がイギリス、そして20世紀がアメリカの時代だったことが
わかるだろう。

2007年、日本と新興国の経常黒字合計は、1兆600億ドル。対してアメリカとEU
の経常赤字合計は、9400億ドル。日本と新興国の経常黒字合計のうち89%を、
アメリカとEUは借金して穴を埋めたということだ。
経常収支の黒字国は細くなった吸い込み口に合わせて輸出を減らすべく、国内の
生産量を落とすしかない。
世界を同時不況が襲う理由がここにある。

世界経済史は一つの法則を教えてくれている。
経済の発展は多くの場合、初めはモノ作りで繁栄が生まれ、その後に金融が重き
をなすようになり、経済が金融主体となるころに、その国(その地域)の経済は
ピークを迎えて次第に衰退していく。

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